【スローガン】
不撓不屈
~諦めずに意志をもって行動しよう~

【はじめに】
私が青森青年会議所に入会したのは2018年のことです。入会と同時に、社業において営業店の店長として青森市外への異動が決まり、青年会議所活動と社業の両立が出来ずにとても苦労したのを覚えています。
最初の転機は2020年に訪れます。JC運動拡大委員会という会員の拡大と育成を担う委員会の委員長を引き受けることになり、理事として責任のある立場となりました。それまで会の活動にあまり関わってこられなかった身でありながら、会の理念や目的や魅力を積極的に発信し入会者を増やし、まして育成していくなど出来るのかと大変なプレッシャーを感じたのを覚えています。それでも多くのメンバーに支えられ、定例会の設えや会報誌の作成など乗り越えることが出来たと思います。自分一人では出来る事思考する事には限りがある為、大きな何かを実現しようと思えば自ら声を上げ協力を仰ぎ、共に考え共に行動してくれるたくさんの仲間を巻き込む必要がある事、自分が既に出来る事だけを引き受けているだけでは自分の成長は少なく、自分が今出来ない事だからこそ挑戦し乗り越える事で大きな成長に繋がるという会での学びがありました。
青森青年会議所は本年創立75周年を迎えます。75年もの間、多くの人がそれぞれの覚悟をもって運動に力を注ぎ、この組織を持続発展させてきました。その中でたくさんのメンバーが切磋琢磨し、人とのつながりを増やし、より良いまちの未来の為には何か出来るかを考え運動を展開してきました。そしてまちの未来を願い諦めず目的達成の為に挑戦していく姿が地域からの信頼を生み、多くの協力者や団体の方々からの賛同を生み、運動に多大なるご支援ご協力を頂きました。だからこそ75年もの間まちの未来を想い、挑戦し続ける事が出来たのだと思います。
青年会議所に集うメンバーが団結し、このまちの未来を想い行動し続ければ、その想いは伝播し更なる共感を生み新たな仲間を得、より大きなうねりとなります。大きなうねりとして繰り出すその一手が、必ずや明るく豊かなまちの実現が叶えると確信しています。
【青森の未来を想い】
どんなまちに住みたいと思うかを想像した際、どんなまちを思い浮かべるでしょうか。私は、市民の声が行政に届き、市民の要望がまちづくりに反映されているまちが理想的だと考えます。しかし現状はそうではありません。その根拠として、市民意識調査によれば、冬期間の生活の安全性が低い、買い物や娯楽施設が不十分、公共交通機関が不便、よって青森に住みづらいという回答が多くなっておりますが、それが解消されるような状態にはなっていません。そしてこれは、このまちに住む市民の多くが問題に気付いていながらも他人事として捉えてしまっており、解決に向けて意見や声を上げない事。さらには解決に向けて上げた声が届きづらい事が一因となっています。何よりも市民がそんな現状に甘んじて受け入れてしまっている事が大きな要因です。小さな不平不満はあるものの、諦めてしまい声を上げない。それが常態化しこのまちは負のスパイラルに陥っています。
負のスパイラルから脱却する為には、市民一人ひとりが課題を自分事として捉え、解決案を模索し、要望として意見を固められる事が必要です。ただし、そこで止まってしまえば意味がありません。そんな状態そのものに行政も気が付いているにも関わらず、これを是として状況に甘んじざるを得ないでいます。これではせっかく市民が要望を固められてもまちづくりに繋がっていきません。行政側に要望が伝わる仕組みづくりも必要です。
住み暮らす市民が課題と向き合う事を諦めず、意見を持ち解決に向けて行動し、そんな意見が行政に伝わる仕組みをつくりそれを持続させる、そんな民意がまちづくりに繋がりやすい環境を整えていく事が出来れば、便利で安全で住みやすいまち、みんなから求められるまちが実現していきます。
【青年会議所が地域で担う役割】
青年会議所は所属するメンバーに成長と発展の機会を提供してくれる場です。青年会議所という組織に所属して享受出来るのは、受け身でいても誰かに与えられて得られる機会ではなく、自身の意志によって掴み取る機会です。そして青年会議所がメンバーに成長と発展の機会を提供するうえでいくつかの特徴があります。
一つは単年度制です。会に所属するより多くのメンバーは様々な役割を担う機会があり、様々な経験と学びの機会を得る事が出来ます。さらに、毎年変わるその役割に追いつこうと属人的な要素を排除する事により、仕組み化や引継ぎの精度を上げる必要性も出てきます。
もう一つは、より良いまちの未来の創造という共通の目的で繋がれた関係性を構築する点です。偉い人が正と言うからこの事業は正ではなく、メンバー自身がまちに良い影響をもたらす事業だと確信するから正。これはお金などの利害や地位や権力など上下の関係に依存しません。目的達成の為に認識が異なっていても、説得や説明を繰り返しお互いの考えを出し合い、純粋により良いまちの未来を追い求める事が出来ます。
また、健全なまちの発展を担う側面もあります。青年会議所は、行政やまちの人達からの賛同を得ながら運動を展開してきました。青森ねぶた祭への出陣を始めとする他団体との連携を前提とする大きな事業もそのうちの一つです。
そしてこのような事業は、まちの発展に寄与するだけではなく会員の育成にも繋がります。このような事業は、たくさんの人を魅了し大いなる感動を生むのに伴い、設える側には大いなる責任が生じます。連携する他団体の方々、予算規模はもちろん、メンバー間での役割分担など、どれ一つとってもないがしろには出来ません。その中で、メンバーはこれまでの先輩達の足跡を辿り、時には頼りながら、時代や取り巻く環境を鑑み、目的達成の為に向けて磨きをかけていきます。
青年会議所はこれらの特徴を活かし、所属するメンバーに発展と成長の機会を提供し続け、地域をけん引するリーダーへの変貌を加速させます。能動的により良いまちの未来を掴みとろうと行動するリーダーが起点となり、市民に主体性と行動力を波及させ、より多くの人に求められるまちの創造に繋がっていきます。
【創立75周年を迎える今】
1951年に創立された青森青年会議所は2026年をもって創立75周年を迎えます。今の青森青年会議所が在るのは75年もの長きにわたり、先輩諸氏が覚悟をもって運動を展開し続け、またそれに賛同して頂いた関係諸団体の皆様があってこそです。現役メンバーはそれに感謝を示し次代の運動への理解を得る必要があります。
創立70周年の際にVision70として、私たち自身がまちの未来を担う当事者としての自覚を持ち、時代に先駆けた価値観を見出し、まちに住み暮らす人が共感する魅力を創造していくことを運動指針として定めました。そして、創立75周年に向けて、この指針のもとに運動を振り返ってきました。その中で気付かされたのは、事業策定の段階で指針とのリンクを十分に意識出来ていなかったものの、市民の共感を生み出す事業は多く実施してきた事です。一方で、時代に先駆けた新たな価値観を見出し新たな柱とするまでには至りませんでした。
また、様々な事業を展開してきたのにも関わらず、まちの地域課題は変わらずに存在し、多くの市民がこのまちに住みづらさを感じています。また、行政も市民が何を求めるのかを拾い上げられず特効薬となる一手を打てずにいます。今一度指針と向き合い、課題が課題のまま停滞しているまちを動かす必要があります。
その為にも、青森青年会議所が導き手となり、市民が仕方ないと目を瞑って諦めてしまっているまちの現状を市民自身に思い出してもらう機会を創り、まちの未来に向けた想いを再起させます。
そして青年会議所が橋渡し役となり、現在バラバラに点在しているまちの協議体を集結させ、再起した想いをしっかりと行政に届けるような仕組みづくりをしていきます。
風通しの良くなったこのまちは、市民による主体的なまちづくりを実現し持続的に発展する力をつけていきます。
【未来の担い手となる子どもたちへ】
子どもたちはこのまちの宝です。笑顔を振りまきながら元気に走り回り遊ぶ姿は微笑ましく周囲を明るくしてくれます。それと同時に、このまちの未来を担う大きな可能性の塊でもあります。そして、子供たちがこの可能性を広げ大きな成長を遂げられるかどうかは、青森に住み暮らす今の大人達に懸かっています。
しかし、子どもたちの多くは成長し大人になる過程で都会への憧れを捨てきれずにこのまちを離れていきます。実際に、県内への転入よりも県外への転出が上回ることによる人口減少を指し示す社会減は0.37%と全国的に高い水準であり、その中でも20代前半の転出が突出して多い状態です。これもまちを取り巻く負のスパイラルの産物の一つと言えます。だからこそ私たちは、子どもたちのまちへの強い愛着と、例え一度まちを離れたとしても再びふるさとを想う心を養い、将来のまちづくりの一翼を担う人財になるように育んでいかなければなりません。
その為に子どもたちが体験すべきなのは、自分達で地域課題の抽出をし、企画の立案から実施までをおこない、達成感を得るまでの一貫したまちづくりの成功体験です。体験の過程でまちを深く掘り下げ歴史や文化に触れ、このまちに潜む様々な可能性や魅力に気付く事が出来ます。また、自分達のアイディアややり方で地域貢献や課題解決が出来たという実績から、子どもたちはやり切る自信と地域への愛着を育み、そしてそれは大人になるまで残り続けます。
慣れ親しんだ自分たちのまちをより良くしようと諦めずに立ち向かう挑戦心と自らのアイディアを具現化しまちづくりを実践した自信は、まちへの強い愛着と帰属意識を育む原体験として子どもたちの心に深く刻まれ、将来のまちに活路を切り開く未来の担い手としての可能性を広げます。
【まちの財産 青森ねぶた祭】
青森といえば青森ねぶた祭です。重要無形民俗文化財に指定され日本三大火祭りであるこの祭りは、青森の誇りであり宝と言えます。
青森ねぶた祭は、多くの人を魅了しまちに活力を与える重要な存在です。経済的な側面もあるもののそれ以上に大きいのは、市民が創り上げる市民の為の伝統文化としての側面であり、私たちはこちらの側面を重要視しています。これまで様々な問題に悩まされてきた祭りですが、いかに市民が愛着と誇りを持てる祭りとして存続させるかを、先達が試行錯誤し考え抜いた結果として今があります。そしてそれ故にしっかりとした規則や統制があり、祭りそのものの安全性と魅力を最大限に発揮している事を忘れてはいけません。一方で、祭りに参加した事がない市民や、過去と比較して自由度が低いとして良く思わない市民、祭りが観光イベント化してしまい参加しづらくなった市民も一定数おり、市民のねぶた離れの要因にもなっています。市民の手によって紡がれていくべきはずの青森ねぶた祭が、どこか他人事のような状態にあります。市民の手によって紡がれているこの祭りにおいて、参加の仕方は、跳人の他にも囃子方やねぶた本体の曳手など、祭りの運行に直接関連するものも数多くあります。そういった参加の仕方でしか味わえない楽しみや感動がある事を、規制や統制の下でも情熱的な祭りが繰り広げられている事を、もっと多くの市民に知ってもらう必要があります。
その為にも我々自身が青森ねぶた祭への理解を深め、運行団体として出陣を果たします。また、市民によって作りあげられた青森ねぶた祭の良さを伝え広める伝道者として、多くの市民に祭りの楽しさや充実感を知ってもらい、じゃわめぐ想いを呼び起こし祭り本番に集約させます。最大まで高まった市民の熱量と共に迎えるこの祭りは、輝きを増し青森の夏の夜を彩ります。より多くの市民の手による青森ねぶた祭が実現し、祭りへの参加をきっかけに当事者意識を呼び覚まします。
【運動の拡大】
青年会議所という組織そのものが、全国的に見ても多くの地域で会員数の減少傾向にあります。青森青年会議所においても例外ではなく課題の一つとなっています。
地域において市民を巻き込んだ事業をおこない意識の改革を促す運動を展開し、さらに大きなものとしていくには組織の拡大が不可欠です。会員の減少はそのまま、市民に働きかける力の減少に直結します。より多くの運動を展開し多くの人を巻き込んでいく為にも、その原動力である会員の数を増やし、運動を拡散する力を大きくしていかなければなりません。
このまちに住む多くの人々に認知を広め運動を理解してもらう為には、様々な手段を利用した外部への情報発信も大切です。紙媒体から電子媒体、SNSなども含め様々な手段を伝える相手に合わせて活用し情報発信を効率的におこない、品格のある青年経済人としての私たちとまちの未来の為に運動している私たちの認知を広げます。信頼される組織として広く認知された私たちの運動はより広がり、露出を前提としてメンバー一人ひとりの行動を意識高く保つ事へと繋がります。
拡大した私たちはより多くの市民に働きかける力を得、まちへの影響力を高めていきます。創立75周年という節目を迎える今、より多くの市民にまちへの想いを再起させる為にも、一人でも多くのメンバーで運動を展開し、まち全体から必要とされる組織にしていきます。
【社会的に信頼される組織の維持のために】
青森青年会議所は2010年に公益社団法人となる以前より、まちに必要とされ信頼される組織でした。これはその信頼を損なう事なく先輩諸氏が地域と共に歩み続けてきた結果です。これからも地域から信頼され運動を展開していく為にも、定款・諸規程を順守した適切な運営と、透明性のある財政管理を維持する必要があります。また、時代や会員数に応じた見直しをしていく必要もあります。機動力・柔軟性の欠如は運動を制限しかねません。時代に即した運営面のアップデートを続ける事で運動の自由度を担保し最適化を計ります。
まちに働きかけ他団体と協働していくうえでコンプライアンスも重要です。単に法律や規制に触れるかどうかというだけではなく、まちからの信頼を得る為にはどうであるのかまで考え、善悪を判断しながら行動しなければなりません。私たち自身がこのまちの子どもたちや若者の模範となれるよう、会員全員でコンプライアンスを学びます。
財政や規則はもとより、徹底したコンプライアンスに裏付けられた行動が徹底したメンバーで構築された私たちは、困難にひるまずに目的達成に向けて足を進める強靭な組織となります。困難に屈さず運動を展開し続ける姿を体現し、まちに求められる組織で在り続ける事が出来ます。
【おわりに】
「人の足を止めるのは絶望ではなく諦観(諦め)、人の足を進めるのは希望ではなく意志」という言葉を聞いたことがあります。絶望そのものではなくそこから脱しようとすることを諦めるから足を止めてしまうし、希望があるからではなく希望を探そうという意志が一歩踏み出すという行動が出来るという言葉です。私自身、想定以上の困難に直面した時や、時間も労力も割いて何度も繰り返し挑戦しているのに何も変わらない現状に足を止めてしまったことが何度もあります。そんな中、周囲に励まされたり現状を新しい視点から再解釈したりして諦めなかった、努力を続ける明確な意志の元に選択し行動出来たことには結果がついてきたように思います。
このまちの中でも、小さかったり大きかったりそれぞれの困難や課題があり、それに対して諦めてしまい足が止まってしまっていることがあるかもしれません。そんな時、誰かが明確な意志を持ち行動する誰かの存在が見えれば、努力し続ける意志を再起させてくれるきっかけがあれば、立ち止まっていた足をもう一度前に進める事が出来ます。
私たち青森青年会議所のメンバーが、困難や変わらない現状に諦めることなく意志をもって足を進めていきます。まちの方々と手を取り支え合いながら足を進めるその先に明るく豊かな社会の実現があると確信しています。

